こんにちは!😊
今回はおおよそ6年前に発売されたTFZ MY LOVE III(TFZ MY LOVE 3)の新品を手に入れたのでそちらのレビューをしていきます。
特にOld Gearの定義みたいのは無いと思うので、個人的に発売日が記事作成から3年以上前のものとしていこうかなと思います。
タブでは「OldGears」としていきますね。
ちなみに伊藤屋国際さんのアウトレットで手に入れたものです。
それでは今回のレビュー品です。
まだ新品の発売は見かけますが、かなり少なくなってる印象です。
メーカーさん紹介
TFZさん(SUPERTFZ)
THE FRAGRANT ZITHERの略がTFZらしいです。
ZITHERとはツィター(チター)で、チロル地方の弦楽器でハープとギターが合体したような見た目になってます。
話を戻すと、中国の深センにあるメーカーさんで新興メーカーが多い中ではそれなりに歴史のあるメーカーさんになりました。
あまりグローバル向けSNSは活発ではなく、中国のウェイボではそれなりに動いているようですけど日本からは見えにくいのがちょっと残念。
とはいえ、製品のリリース速度もしっかりしていますし大手家電メーカーやイヤホン専門店でも販売されているので日本でもおなじみのメーカーさんですね。
基本的にはエントリー~ミドル帯向けの製品が多いのです。
現在はSUPERTFZですが、そうなる前のTFZ時代のものとなります。
なのでロゴも昔のものとなってますよ。
スペック
ブランド:TFZ
モデル名:MY LOVE III
ドライバ構成:1DD
コネクタ:TFZ 2PIN(0.78mm)
インピーダンス:24Ω
感度:107dB/mW
周波数応答:5Hz-40kHz
発売日:2018年12月21日
価格:※169ドル(約24,300円)
※価格は発売当時の定価、円は2024年9月下旬現在のレート
現在の国内新品価格は1.65万円~ほど。
外箱や同封物のチェック
外箱
箱は細長い感じ。
文字は赤いラメでかっこいいです。
裏面にはイヤホンのスペックや会社情報等。
中身
外箱を開けると中身はこんな感じです。
既に美しさが分かりますね✨
付属品含めてこんな感じ。
イヤホンの他にはイヤピ3種類7ペア、TFZ 2PIN端子ケーブル(3.5mm)、イヤホンポーチ、マニュアル。
当時のスタンダードは分かりませんが、ケースが硬質タイプなら良かったかなぁって感想です。
イヤピ
イヤピは開口部が広く傘が低いタイプ、開口部が狭く傘が高いタイプ(軸がオレンジ)、フォームタイプの全3種類で合計7ペア。
さすがに古いこともあってか、形が悪く少しシリコンが劣化してるかもしれません。
音に関しては開口部が広く傘が低いタイプが中音域を強化する感じで低音域と高音域は少し弱まりボーカルを映えさせるタイプ。
傘が低いタイプは低音域が強化され、高音域は減衰しないようなタイプで結果ドンシャリ方向を強化するタイプ。
フォームタイプはすっかり劣化してるのか潰してもすぐに元に戻ってしまってちゃんと耳に合わせられず、少しベタっとしてるのもあって使用を断念しました。
古いものなので無理に使うよりかは普段から使い慣れているイヤピや新しいものを使用することを個人的にはオススメします。
ケーブル
銀メッキ無酸素銅ケーブルとのこと。
線は細くてしなやか、取り回しは良好。
タッチノイズも少ないので機能面は良いですね。
ただ、細くて柔らかい分てきとーに放置しておくと絡んでることが多いので付属のマジックテープのバンドでまとめておきましょう。
スプリッターには旧TFZのロゴ、スライダーはありません。
プラグは3.5mm、ピンはいわゆるTFZ 2PINです。
0.78mmなので中華2PINやCIEM2PINにも対応、問題なく使えます。
カバー付きで似ている形状のQDCタイプは使えないので注意が必要です。
ピンには見えにくいですがLR表記もあるので左右間違える心配はありません。
音としては多少荒々しいので個人的にはリケーブルをした方が良いのかなとは思います。
品質的には少々物足りない印象。
ケース
袋系のケース。
女神タイプじゃないメーカー名の方のロゴが入ってるのはカッコイイのだけど、イヤホンの値段を考えるとちょっと安っぽさを感じてしまいます。
最近のSUPERTFZ系に入ってたハイブランド的ブルーな袋よりかは高級感しっかりありますけど。
イヤホン本体について
真紅色のFPが実に美しいイヤホンです。
光に当てるとFP内部の銀系のホロが淡く反射するのでより美しく見えます。
明るさを変えてちょっと明るめに撮影。
ガーネットのような美しさが特徴的です。
MY LOVEのロゴもデザインが凝っています。
一見邪魔になるかなって思うのですけど、下の銀色系のホロの効果もあってそんなに邪魔とは感じませんでした。
これが金文字だったりすると合わないというか邪魔になってたかもしれません。
シェルも真紅色で透明。
内部の構造が見えるタイプになっています。
といってもマクロ撮影にしたり光を直接当てない限りははっきりと見える感じではありません。
内部的には配置に余裕はあるのでゆとりある空間も利用した音作りをしているのかな?といった印象。(大きなベント孔もありますし
凹凸はそれなりにある印象で人によっては合う合わないが出てくるかもしれません。
個人的には長時間使っても問題ないくらいの装着感でした。
付属のイヤピは劣化気味でしたので自身で購入したものを色々試しましたが、イヤピはサイズ通りであまり種類を選ばず困りませんでした。
ちなみにシリアルナンバー付。
ノズルとフィルタ。
ノズルが短いので耳垢等の汚れも入り易いのでお手入れには気を付けましょう。
フィルタは目が細かいので内部までは侵入しないとは思いますが。
径は約6mmでイヤピの交換は基本的にしやすいタイプです。
MY LOVE IIIの音質について
音の特徴等について
約6年前のイヤホンと前置きしつつ書いていきます。
音の傾向はウォームな弱ドンシャリサウンド。
厚みのある低音域が特徴的で、高音域にかけては徐々にソリッドな音になっていく感じです。
DDのみなのですが、ハイブリットな感じ音の作りになってます。
音場は狭めな印象で、横方向に細く広がる感じで天井はあまり高くありません。
音の抜け感と言う意味ではやや中低音部分に閉塞感や詰まりのような感覚があります。
解像度に関しては正直最近の1万円台のイヤホンの方が実力は上かなと感じます。
当時のミドル機ということもあって音の濁りという点は問題ありませんが、定位感は低音域と中音域の鳴りが近く、前傾で腰が低めな感じで特別分離感が良いという評価ではありません。
付属品での感想はこんな感じですが、やはりというかリケーブルすると印象は変わります。
個人的にはリケーブルでバランス化してやや寒色傾向でキレを増すor解像度と明瞭感、高音域を強化するようなケーブルにする方が音のバランスとしては良いのかなとは思います。
音の繋がりが良くなって、音場も広がる事で臨場感も増してくれますよ😊
低音域
厚みがあってこのイヤホンにおいて一番特色がある部分です。
重低音も強くて深く沈むような力強さが感じられます。
中音域と鳴りが近い分重なりやすく濁りとまではいかないものの、少し曲によってはごちゃつく感覚はあります。
その上の低音部分も同様に力強いのですが、低音域全般的~中低音にかけてにやや閉塞感や曇った感じがします。
上流を変更したりリケーブルする事でその点は改善方向にはなりますので、駆動力で解決するのも手かもしれません。
駆動力の低い上流だと曇ったような感覚がどうしても抜けきりません。
エージングは基本的にした方が良いと感じます。
この帯域がきれいに聴けるかどうかでこのイヤホンの評価もけっこう変わってしまう印象がありました。
中音域
元気な低音域の影響を受けますが、中高音にかけてソリッドな方向の音になっていくので音としては差別化されていく印象です。
中低音~中低音に近い中音は僅かに後ろから聞こえるような感覚があります。
ドンシャリ系らしいといえばその通りな特色です。
低音域と同様に前めな配置なのでボーカルは割と明瞭に聴こえますが、楽器数の多い曲だとメロディーラインが少し曖昧になります。
音場の影響や高音域があまり強くない点においてはオーケストラ系の曲は迫力の面は良いとしても臨場感や音色の美しさでどうしても課題が出ます。
基本的にはボーカルジャンルの曲で使うと良いイヤホンに感じます。
中音~中高音にかけては明瞭さがしっかりしてくるので低音域の力強さに負けない面が出てきます。
特に中高音は低音域のような厚さとか湿度が減り、スッと響くような音になってきますが徐々に音が遠くになっていく感があります。
中低音~の凹む部分が男性ボーカルにかかるので個人的には男性ボーカルよりも女性ボーカルの方が良いですね。
高音域
高音域全般的ソリッドな方向な感じに変わり、低音域とは対比的な感覚がありますが量感的には少なめで高音域好きな方には多少物足りなさがあります。
周波数応答はハイレゾ規格まではあるものの、あまり超高音部分は機能している感じがしません。
また、低音域と中音域が前傾配置なのに対して高音域はやや遠くから響いている感があります。
この楽器こんなに弱かったっけ?と感じてしまう部分も。
ピークの山があまり高くないのか、中高音から刺激と言う面ではほとんど無いので刺さりに弱い人にとっては安心材料にはなります。
リケーブルすることで多少改善はするものの、どうしても拡張性が弱いので線材によってはより低音域が強まってバランスが悪くなりかねないので銀メッキ系やパラジウムメッキ系を使うと良いかもしれません。
総括
基本的には低音域が強く、中音域も元気で楽しいイヤホンで女性ボーカル系との相性が良いイヤホンと言えます。
アニソンとの相性が◎。
ただ、古いイヤホンではあるので当時とのトレンドの差はあるものの、好き嫌いの差がどうしてもありそうだなって感じがしました。
まず、付属品ではイヤホンの魅力が弱くなります。
イヤピは劣化してる面もあるので仕方ないですが、ケーブルの品質が値段に対してあまり良くないので素直にリケーブル推奨です。
特に銀メッキ系等、高音域を伸ばすようなケーブルとの相性が良いです。
また、音量は取り易いものの駆動力に余裕のある上流を推奨します。
リケーブル含めて解像度に大きな差が出てきます。
ただ、リケーブルによってブーミーさが強調される可能性があるので複数本試すことをオススメします。
黒崎真音さんの楽曲の楽器バランスとボーカルの一致感が素敵に聴こえるイヤホンでしたね😊
セットアップ
DAP:FIIO M23(ゲインはHIGH、ボリュームは35,Amazonで46)
リケーブル:ivipQ-323(中華2PIN 4.4mm)
イヤピ:FIIO HS18 or TRN T-EAR Tips
エージング:60時間
ケーブルは銀メッキの銀銅合金+単結晶銀のミックス。
なので低音域よりも中高音~高音域強化に良いなと思って使用しています。
狙い通り音の明瞭感が増し、曇ったような印象が弱くなり特に中音域から上のパワーが上がってバランスが良くなりました。
音場も少しだけ広くなるので臨場感が増した感覚になります。
イヤピは装着感を第一にFIIO HS18を第一選択にしましたが、KBEAR07、TRN T-EAR TipsやSpinfit CP100+なんかでも良いですね。
少なくとも付属品は劣化気味なのでちゃんとした市販品を使用することをオススメします。
MY LOVE IIIを選ぶ上での良い点と留意点
良い点
◎最高評価
- 見た目が美しい
真紅色のFPと真紅色のシェルがとても美しい。
ケーブルは緑系でもない限りは広く合うので組み合わせに困る事もあまりない。
ファッション性も高い。
○高評価
- リケーブル後の音はバランスが良くなる
個人的にリケーブル推奨。
銀系であったりパラジウム系の線材でリケーブルすると高音域が少し改善されて音のバランスが良化する。
ただし銅系ばかりだと逆効果の可能性もあって、低音域がブーミーになるので注意。
留意点
- 値段を考えても付属品はちょっと弱い
アウトレットで購入したことを考えれば値段としては安かったのだが、新品定価を考えればケーブルの質とケースの面で弱いなとは感じた。
イヤピの経年劣化の面は仕方ないのでその評価はここに含まない。
ただ、フォームタイプのイヤピを含むなら1ペアのみではちょっと寂しいのかなとは感じた。
- 音量は取り易いが、それなりの駆動力は必要
直接繋ぐだけではやはりポテンシャルが発揮されにくい。
上流の変化が大きく、駆動力があるなしで解像度においての影響が出やすい。
最低限CS43198くらいのDACチップを使わないと音が緩慢に感じる。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は「OldGears」と銘打って最初にTFZ MY LOVE IIIのレビューを行ってみました。
けっこうマニア向けで初心者が使うにはちょっと難しいイヤホンなのかなという印象でした。
というのも最近の流行からはちょっと離れた音の感じがしますし、上流もある程度こだわっていてリケーブルに抵抗のない人向けなイヤホンと感じたからです。
逆にリケーブル遊びしているとそこが楽しいイヤホンでもあるのですけどね!
それとオススメとそうじゃないポイントを簡潔にまとめてみます。
😊オススメポイントという感じで紹介するなら…
・ノリが良い女性ボーカルのアニソンが好き
・低音域好きな人なら満足感ある量感
・とても見た目が良いのでファッション性目当てでも
😞オススメしないよっていうポイントで紹介するなら…
・煌めく高音域が好きな人には物足りない
・高解像度で臨場感ある音場が好きな人には物足りない
・クラシックのような高音域も担当する楽器をたくさん使う楽曲には合いにくい
といった感じで今回のレビューは〆させていただきます。
最後に今回のレビュー品です。
では、次の記事でお会いしましょう!(`・ω・´)ノシ