こんにちは!
今回は三回連続でYongseさんのリケーブル製品の紹介となります。
新製品のVenomのサンプルをいただきました、ありがとうございます!
SpideyとVenom、うん🕷🕷🕷
これらのネームと見た目に関してはひとまず置いといて、ケーブルそのもののデザインはAlpineと似たようなもので三兄弟みたいな感じですね。
線の材質も同じ6N銀メッキ単結晶銅。
それでもAlpineとSpideyでは違う傾向がありました。
ではこのVenomはどのような違いがあるのか、それも考察しつつレビューしていこうと思います。
それでは今回のレビュー品です。
Aliexpress Yongse Official Store
メーカーさんの紹介
Yongseさん
1997年開業でOEM、ODM中心でしたが、2022年に自社ブランドで製品を出しています。
主にリケーブル製品を積極的に出していますが、DAC系製品やCanaryというイヤホンも出しています。
最近もリケーブル製品をたくさんリリースしており、活発な企業です。
見た目も奇抜なものからスタンダードなもの、男の子ってこういうのが好きなんでしょ?みたいな製品があったりと様々です。
また日本に代理店も存在しているのでイヤホン専門店や大手家電量販店でもYongse製品を手にすることができます。
Xにもアカウントがあって積極的に情報を出してますのでチェックしてみてください。
Aliexpressには公式ショップもあるのでそちらもチェック!
スペック
ブランド:Yongse
モデル名:Venom
線材:6N銀メッキ単結晶銅
芯数:4芯
ピンタイプ:CIEM 2PIN(0.78mm)/MMCX
ピンメッキ:金メッキ
プラグサイズ:3.5mm/4.4mm
プラグメッキ:金メッキ
ケーブルの長さ:1.2m
発売日:2024年7月19日
価格:約61ドル(約9600円)
(為替の変動はあれど、基本定価はAlpine、Spideyと同じようです。)
外箱等、パッケージ情報
外箱
Yongseさんのいつもの箱です。
ちゃんと守られているという安心感。
その他付属物
なし
ケーブルについて
見た目
イメージキャラが存在してるだけあってカラーもそれに準じてる感じですね。
Spideyと同じで某🕷の映画を調べれば分かると思います。
ただ線の硬さに関してはSpideyよりもこちらがやや硬い感じ。
そのせいかSpideyよりもタッチノイズがやや大きいです。
それでも布巻系のケーブルとして取り回しは特に問題なく、使い心地が悪いという感じはしません。
白、灰、黒のカラーで編み込まれている線材はSpideyにような派手さはなく、遠くから見ると黒鉄色のようにも見えます。
↑にある外箱の項目にある写真からもそんな感じで、特に暗い所だと鈍い光沢のある黒鉄色のように見えるのが特徴です。
明るい時、暗い時で見え方がちょっと違うのも面白いなとは思いました。
ピン
こちらはSpideyと同じ感じ。
ちなみにこちらはCIEM 2PINです。
LR表記があるので分かり易いとは思います。
大体耳に触れる側を内側、反対側を外側と表現しますがCIEM 2PINはその外側にピンのプラスチックカバー部分に存在している『溝』があるので触って判断もできます。
後々比較するAlpineは少々ピンの形状が違いますので、それを含めて詳細解説は比較項目で行ってます。
プラグ
こちらもSpideyと同様となります。
メーカー名が入ってるタイプとなります。
スプリッター/スライダー
こちらも同様ですね 。
ロゴマーク入りのスプリッターにやや幅広なスライダーです。
Venomの音質について
音の特徴等について
音の傾向としてはニュートラル。
なので寒色、暖色系問わず様々なイヤホンに使っても音の質感を大きく変えるようなことはありません。
なので↑にあるような寒色傾向のTINHiFi T2 DLCのようなイヤホンや、ニュートラルか暖色寄りな方向のKinera Celest Wyvern Black(Abyssから名前が変わりました)等にも相性の面では良かったです。
ちなみにこの後AlpineとSpideyの比較も出すのですけど、リファレンス機種として使ったのはTINHiFi T2 DLCです。
他、帯域の変化についてはありふれた表現ですが銀メッキらしい中音域~高音域にかけて伸びる印象があります。
ただ大きく帯域バランスを変えるような変化はなくスッキリとした変化になってます。
傾向がニュートラルなのでよりそのスッキリ感があるのかもしれません。
低音域は大きく変わりませんが、解像度の良さもあって質そのものが良くなってるように感じられます。
中音域から量感が増して、ボーカルがやや前に来ます。
これはAlpineやSpideyも共通している傾向ですが、Venomはもう一歩それらを上回る印象です。
高音域は銀メッキ線らしい伸びを感じますが刺さりが強くなったりするような刺激感アップはほとんどありません。
空気感が良くなるという感覚でした。
他に最も特徴的なのが解像度の良さ。
これについては似たような線材の3本共に実力はほぼ横並びと感じるのですが、いずれも高い解像度を誇るのが共通項です。
こういうと安直に感じられるかもしれませんが、お手本のような質の高い素直な銀メッキケーブル線だと感じました。
AlpineとSpideyとの比較
先ほどから名前が出てるこれらのケーブル。
線材も同じ、値段も同じ、違うのは見た目だけ?
ということで比較していきます。
簡易的なものはXで投稿済みですが、ここでは詳細にまとめていきます。
ちなみにリファレンス機は上流がFIIO R7、イヤホンがTINHIFI T2 DLCです。
見た目の違い
左からVenom、Spidey、Alpine。
もはや三兄弟ですね🍡
落ち着いたデザインのVenom、Alpineに対してSpideyはなかなか奇抜です。
イヤホンと組み合わせる点での使い易さで評するならば圧倒的にVenomが良いですね。
次にAlpineですがいわゆる音じゃなくて色の寒色系との相性が良いです。
Spideyは合わせるのがなかなか難しく、黄色や緑とは致命的に合いませんので赤と青の同系色の色くらいでしょうか。
服装でもSpideyはなかなか合わせにくいかなとは思いました。
音の違い
・低音域
Alpine>Spidey>Venom
・中音域
Venom>Alpine≒Spidey
・高音域
Venom>Spidey>Alpine
Xでポストもしてますが、低音域を重視するならばAlpineで中音域以上を重視するならばVenom、その中間くらいがSpideyといった感じです。
・音の質感(ウォーム>ニュートラル)
Alpine>Spidey>Venom
暖色系のケーブルとして評価の高いAlpine。
Spideyもやや暖色傾向ですがVenomはニュートラル味が強いです。
なので音の傾向に関して一番変化なく使えるのがVenomということになります。
・音場の広さ(上下)
ほぼ同じ
・音場の広さ(左右)
Alpine>Spidey≒Venom
音場は同社のWhitezeというやや寒色寄りで音場の広いケーブルと比べるとコンパクトな感じになってます。
それでも上下での差がさほど感じず、左右で若干Alpineが広いかなといったところ。
・解像度
ほぼ同じ
これについてはほぼ互角と判断しました。
分離感も同様です。
・ボーカル位置(前>後)
Venom>Alpine≒Spidey
ほぼ変わらないように感じるのですが、Venomのみ半歩前に出てるような感じがします。
これは中音~中高音が伸びた影響からかもしれません。
ちなみにいずれのケーブルも基本的にボーカル向けでやや前めになるのは共通してます。
他の違い
・PINの違い
Alpine:中華2PIN
Spidey、Venom:CIEM 2PIN
溝ありで埋め込みタイプのイヤホンでも使えますし、一番流通されてるであろうCIEM 2PINのSpidey、Venomに対してピンの根本の台座部分が短い界隈だと中華2PINと呼ばれている違いがあります。
どちらも一長一短がありますが、2PINだけでも他にも種類があって頭が混乱しそうになります…
・タッチノイズ(大>小)
Venom>Spidey>Alpine
取り回しに関してはいずれも問題はないものの、布巻系の宿命であるタッチノイズはどうしても生じてしまいます。
この3本だとVenomのタッチノイズが大きめに感じます。
以上、三兄弟🍡比較のコーナーでした!
個人的に感じた相性
・音色
寒色:〇
ニュートラル:〇
暖色:○
・傾向
ドンシャリ:〇
フラット:○
かまぼこ:○
総評
単体のケーブルとして考えるのであれば高解像度で音の傾向もあまり変えないスッキリ系のリケーブル製品。
中音~中高音にかけての伸びとボーカルが前めに出てリスニング向けにも良い感じ。
低音域は弱めることなく解像度の良さもあってキレを感じますし、高音域は銀メッキらしい伸びと量感がありつつも刺激的にならない優しめの感覚です。
デザインとしてもとても使い易い配色で、多くのイヤホンや日常の服装とも喧嘩しにくいケーブルです。
同社の兄弟と思われる同様の製品との比較ではそれぞれの個性もあって面白かったですね!
どれを買おうか迷ってる方はその比較が参考の一つになれば幸いです。
ぶっちゃけ名前からしてものすごく毒々しさがあるのですが、毒どころか清流を感じるまであって困惑しました…w
Venomちゃんさ、毒なんて仰々しい名前だけど全然毒気が無くて困るwww
— れあ🛜がじぇっと (@reagajeje) 2024年7月19日
とても素直なケーブルで、5000円以下の低価格帯のイヤホンでこれを使えば純粋にレベルアップが体感できますし、1万円台のイヤホンの味の調整にも便利な1本だなと言えます。
セットアップ
セットアップ概要
DAP:FIIO M23(ゲインはHIGH、ボリュームは36,Amazonで47~49)
イヤホン:final A4000(1DD)
リケーブル:YONGSE VENOM(4.4mm)
イヤピ:KBEAR08 or FIIO HS18(Mサイズ)
A4000はV字傾向の感じられる弱ドンシャリ寄りな音ですが、低音域はあまり強くないです。
基本軸は中高音~高音にかけてのクリアさですね。
もっと低音域増やせば良いじゃんとも思うかもしれませんが、個人的にこのイヤホンはこの低音の量感で十分です。
そこを崩さず中音域と高音域の量感を増すようなセットアップにしました。
このイヤホンが持つ良さを引き出してくれます。
ビジュアル的にも整合性が良いかなって思います。
他にも色々試してみたのですけど、無難に良いという感じのものが多くてこのケーブルの汎用性の高さを感じました。
同様の感覚を兄弟ケーブルからも感じられるのですけどA4000にSpideyは全然見た目が合いませんしAlpineはそもそもPIN規格が合わないので使えません。
個人的に感じた変化量
重低音:0
低音:1.0
中低音:1.0
中音:4.0
中高音:4.0
高音:3.0
超高音:1.5
音場(上下):1.5
音場(左右):2.5
奥行:1.0
解像度:2.5
※これは採点ではありません。
あくまで個人で感じた変化量です。
Venomを選ぶ上での良い点と留意点
良い点
◎最高評価
- 非常に素直なお手本みたいな銀メッキケーブル
解像度が高く、音への変化が少ないケーブル。
当然銀メッキケーブルらしい中音域~高音域にかけての伸びは感じるものの、ほとんどイヤホンの傾向を邪魔しない。
どんなイヤホンにも使い易い性能。
Yongseさんのケーブルの中でも特に素直な方かもしれない。
名前からは想像できない優等生。
- ボーカルが際立つ
近めになって解像度の高さもあり、特に良く感じるのは高めの女性ボーカル。
もう一つボーカルに華が欲しいなという時に使うと成功率は高い。
○高評価
- 取り回しが良く、日常使いに良い
取り回しは問題無くとても使い易い。
カラーリングもSpideyのような奇抜なものではなく、ファッションにも合わせやすい。
留意点
- タッチノイズは大きい
布巻ケーブルの宿命。
とはいえ兄弟とも呼べるケーブルと比べてもちょっと大きく感じる。
取り回しが良いだけにこの点は残念だが布巻ケーブルとはこういうもんだと割り切ればそこまで気にはならない。
- 大きな変化を感じたいのなら違うケーブルを
非常に素直で優等生なケーブルという事は変化を求める人には向かない。
もっとドンシャリを強めたい、もっとドライにしたい!みたいな人向けではない。
あくまでこのケーブルはイヤホンの傾向を大きく変えることなく性能を上品に引き出すタイプ。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回含めて3回連続のリケーブル製品のレビューでした!
今回のVenomは本当に優等生といったリケーブルで、本当にどこに毒成分があるの?と思うほどでした。
弱点という点ではタッチノイズくらいかなってところですが、この弱点は布巻系リケーブル製品共通の弱点でもあります。
そういうものだと理解した上で使えばそれほど気にならないかなとは正直思います。
暑い時期なので汗を吸収させるとメンテナンスが大変なので、できれば室内での使用や暑くない時期での使用をオススメしたいですね。
また今回はAlpine、Spideyといった兄弟的なケーブルとの比較も頑張りましたので是非参考にしていただければと思います。
というわけで今回のレビューはこの辺で〆させていただきます。
最後に今回の製品リンクです。
Aliexpress Yongse Official Store
それでは次の記事でお会いしましょう!
次の記事ではXでのフォロワー500名記念キャンペーンも行う予定です!
お楽しみに♪