こんにちは!
今回はLINSOULさんからTANGZU Wan’er S.G Studio Editionのサンプルを提供していただきましたのでそちらのレビューを行っていこうと思います。
LINSOULさんからの提供は初めてです、ありがとうございます😊
TANGZU Wan’er S.Gはシリーズ化されてるくらい人気のあるTANGZUブランドのエントリー機です。
自分もTANGZU Wan’er S.GのJade Greenを持っているのでそちらと比較とかもしつつ視野を広くして見ていこうかなと思っています。
以下、JadeGreenとの比較部分が出た場合はClassicモデルと称します。
それでは今回のレビュー品です。
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Linsoul直営店
各メーカーさんの紹介
LINSOULさん
今回初めてお世話になります。
オーディオ関連総合ショップの大手の一つです。
日本においてもAmazonで展開しているので見かけたことがある方も多いと思います。
自分もAmazonにおいて何度かお世話になってますので安心して利用できます。
Xにおいても日々製品情報を出していたり、時にはプレゼントキャンペーンを行っていたりとアクティブに活動しています。
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TANGZUさん
読みとしては「タンズ」と発音します。
主にイヤホンとイヤーピース、ケースを作っています。
特に最近は表面が独特のザラっとしたイヤーピースの唐三彩シリーズが印象的です。
イヤホンに関してはエントリー~アッパーミドル帯のものを作っています。
幅広い価格帯に対応していて、製品のリリース速度はそれなりに早い印象があります。
個人的にですが大きめのイヤホンケース、イヤピ、イヤホンは5種所持しているのでお気に入りのメーカーの一つです。
SNSも利用しており、情報発信も活発的です。
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公式ページ
スペック
ブランド:TANGZU
モデル名:Wan’er S.G Studio Edition
ドライバ構成:1DD
コネクタ:2PIN(0.78mm)
インピーダンス:16Ω±20%
感度:105dB/mW
周波数応答:20Hz-20kHz
発売日:2024年7月25日
価格:4200円(Amazon)
外箱や同封物のチェック
外箱
相変わらずこのシリーズは箱がしっかりしています。
表にはいつもの美人さん。
中国唯一の女帝、武則天(則天武后)に仕えた女性で役人としてだけではなく、詩人として活躍もしたそうで。
そんな彼女は歴史上、非業の死を遂げることになります。
Wan’er S.Gシリーズはノーマル、グリーン、ブルーと少しずつパッケージが違いましたが、いずれも上流中国美人って感じのパッケージでした。
しかし今回は楽しそうにイヤホンを装着してます!
今までにないくらい明るい笑顔なのも好感です。
ハッピーエンドが好きな自分、彼女がこの世界では幸福な毎日を過ごしていることを願います。
後ろにはイヤホンのスペックが書かれてます。
中身
外箱からTANGZUおなじみのパッケ絵のクロスが入ってます。
クロスは両面印刷で、もう片側は箱絵が違うStudio Editionの白版のパッケ絵になってます。
その下にイヤホンが鎮座している感じです。
イヤホン本体がここから外れて転がりまわるようなことにならないよう配慮もされてます。
イヤホン本体の下にイヤピとケーブルが入った箱。
基本的にTANGZUのこだわりでこの辺は力が入ってます。
イヤピは2種類、ケーブルは3.5mm銀メッキ無酸素銅ケーブル。
マニュアル類は入ってませんでした。
イヤピ
イヤピは2種。
傘が白で軸がカラフルなものとグレーで軸がオレンジ色のもの。
カラフルな方はデフォルトでセットされているものを含めて4サイズで、こちらは恐らくKBEAR07かと思われます。
ちなみにWan’er S.G Jade Green(Classicモデル)を持ってるのですけど、こちらもイヤピは同じセットです。
どちらも低音域強化系ですが、グレーでオレンジ傘の方が全体的に前に来る感覚があります。
音の鳴りとしてはKBEAR07の方がバランス良く聴けます。
とはいえ装着感の違い(イヤピの固定位置)での差を考慮すると遠近の差くらいで基本スペックは大きく変わらないと思います。
ケーブル
ケーブルは銀メッキ無酸素銅。
プラグはL字の3.5mm。
LR表記もあるので初心者にも扱い易いです。
耳掛け部分がワイヤー式になってるのでこれは好みが分かれると思います。
個人的には装着感が合わなくなりやすいので苦手です。
Classicモデル版(左)との比較では色合いが違います。
Studio Editionの方がより黒いですね。
材質としては銀メッキOFCという点では共通です。
ですが音の傾向が違いました。
Studio EditionをClassicモデルのケーブルで使うとよりフラット寄りになって音場も少し横方向に広がります。
Classicモデル版をお持ちなら是非お試しあれ。
わざわざClassicモデル買って用意するより、手持ちの範囲でリケーブル遊びする方が健全なのは付け加えさせていただきます。
タッチノイズはどちらもそれなりにあります。
ケース
無し。
さすがにエントリー過ぎるので付属してないですが、TANGZUさんは割と豪華パッケージにこだわるのでちょっとお値段上がって来るとくっついてくることが多いです。
武則天買った時はちょっとビックリしました。
イヤホン本体について
黒をお願いしたのでこんな感じの見た目。
TANGZUさんも値段に関係なくイヤホンのデザインにしっかりとこだわりを入れてくるメーカーなのでかっこいいですよね。
基本黒のFPの中に金のデザインラインとWANER STUDIOの文字。
角度によって黒色の中から銀色のラメのようなホログラムのようなデザインが鈍く光を反射する感じがかっこいいですね!
0.78mmの2PIN。
付属がカバー付きのケーブルですので似たようなQDCタイプのケーブルなんかも使えちゃいますけど一応自己責任で。
一応QDCタイプのSoundsGoodのKirinでもCIEM 2PINのYongse Venomでも問題なく使えてます。
割とこのくらいの価格帯の製品だと使えれば良いやと、てきとーになっちゃいますけどね💦
ちなみに普通に2PIN使うとちょっと不格好に見えます。(特にCIEM2PIN)
シェルは黒みを帯びた透明。
中のドライブや配線が見えるタイプですね。
FPが黒なので落ち着いた感じで良いと思います!
透けて見えるダイナミックドライバが実にかっこいい。
フィルタはかなり目の細かい黒メッシュ。
ノズルの径は約6mm。
付属のイヤピはどちら共に装着し易かったです。
Studio Editionの音質について
音の特徴について
ニュートラルでフラットに近いモニター的な感じの音。
とはいっても本当の意味でのモニターライクな音よりかは各帯域ちゃんと特色もあるので厳密に言えばモニターという表現は違うのだろうけど。
価格安めでモニターさを味わうのであればTANCHJIM 4Uを選択してみると良いかもしれませんが、この製品はClassicモデルと比べて更にモニター的な音にしたという位置づけです。
ややV字傾向だったClassicモデルと比べてより傾向がフラットになっています。
音の質感としてもニュートラルで寒暖的な要素も中間に近い感じで、とても出音が素直。
明るき過ぎず、暗過ぎず。
乾き過ぎず、しっとりし過ぎず。
ただ、リケーブルの傾向はしっかり乗ってくるので傾向を変えるリケーブル製品を使うとそのままその味が添加されるイメージです。
解像度はこの価格帯ではトップレベルに感じます。
元々Classicモデルの時からレベルは高いですけど、ベンチマークになり得る質の高さ。
定位、分離も特に問題なく分かりやすいですね。
Classicモデルよりもこの辺りは好印象です。
音場は基本的に円形で広め。
バランス化すると全体的に広くなって特に左右も拡がり個人的に好感。
平坦な音なので空間使って迫力を増した方が良いかなと。
低音域
主張は強くなく、全体的に軽さを感じるさっぱりとした低音域。
重低音の量感は小さく、あまり沈み込みや振動的なものは感じられません。
低音が全体的にやや軽めな感じで軽快でさっぱりさを感じるように鳴ってます。
音としての濁りのようなものはなく、しっかり中低音と中音付近と分離感があるので好印象です。
低音スキーさんには物足りないかもしれませんが、曲を表現する上でのスイートスポットの必要最低限は満たしている印象です。
これ以上少ないと本当にモニターライクって感じがしますけどね。
中音域
中低音から量感があって中高域にかけてとてもこの値段とは思えないきれいに聴かせてくれます。
一番量感良く、明瞭な部分です。
男性ボーカルも女性ボーカルもあまり苦手さはなく、主旋律としてのピアノやギター類も苦手な感じはしません。
最近多い前め配置で聴き易さもアピールポイントかなと。
中高音においても刺激感は少なく、高音域に近い部分に主張が出やすい所もまろやかで刺さりに弱い人も安心して使えます。
高音域
中高音と同じで刺激が少なくて、不快な金属音は基本的にしないと思って良いです。
またシャリ感もそれほど強く感じないので優しく鳴っている印象です。
量感で言えば少ないようにも感じますが、素材的にもこの部分の表現力は限界が見えているので高音域を求めるならそっちが得意な材料を使った振動板やBA機を見据える方が良いでしょう。
特に高音域に存在する楽器類が多い曲においての表現力は残念ながら価格相応と言えるからです。
あくまでこの価格でモニター的なバランスで鳴らすという意味ではこの素材とこの量感は正解と言えるでしょうけれど。
JadeGreen(Classicモデル)との比較
見た目
どちらも見た目はとても美しいです。
基本的にシェルのサイズ感であったり形が大きく変わってるような場所はありません。
大きく変わってるのはノズルの形状と長さでしょうか。
Classicモデルの方が長くなってます。
この差が微妙に装着感の差があったりするかもと思ったのは、個人的にClassicモデルの方がイヤピ選びに困らなかったからです。
フィルタや径に関してはほとんど変わりません、
音の傾向差
Classicモデルの方が基本的にはV字傾向が強く、弱ドンシャリといった感じ。
低音域にもっと量感がありと高音域に若干の鋭さがあるのが基本的なClassicモデルのWan’er S.Gです。
音の質感としてはニュートラルかやや暖色寄り。
その他のエッセンス的なものはあまり変わりなく、出音が素直なのはこのシリーズの傾向かもしれません。
音圧はClassicモデルの方が強く、FIIO M23のゲイン強で音量差3~4くらいです。
中音域の量感差はあまりなく、低音域をかなり削って高音域の鋭さというかトゲを抜いた感じがStudio Editionなのかなという印象です。
音の鳴らし方もあまり変わらないですが、低音域が弱くなったおかげかStudio Editionではよりボーカル等が聴き易くなった印象はありますね。
低音域と中音域が近いのでそういう部分の分離感といったものはStudio Editionのが上です。
中音~中高音のきれいさも比較すればStudio Editionの方が上ですが、低音域が欲しいと思ったら圧倒的にClassicモデルが優勢になります。
音場に関してはどちらも広めで甲乙付け難いです。
量感差
比較環境を同じにするように両機共に再生機をFIIO M23、ケーブルをYongse Venom、イヤピをSednaEarfit Crystalにした時の個人的量感差をまとめておきます。
Classicモデル→Studio Edition
(低音域)
重低音:6→4
低音:9→6
(中音域)
中低音:8→6
中音:7→8
中高音:6→7
(高音域)
高音:6→5
空気感、余韻:3→3
(サウンドステージ)
音場左右:8→8
音場上下:7→6
奥行:あまり変わらず
※量感差は優劣の採点ではありません
総評
例えとして正しいかは分からないけど、ど真ん中のストレート。
それもメジャーとかみたいに100マイル(160Km/h)を超えるようなツーシームではなく、140Km/hのキレイなストレートといった感じ。
素直過ぎて野球だとホームラン打たれちゃうけれど。
そのくらい色々ど真ん中に近いです。
低価格でモニター的、フラットなイヤホンのオススメは?と聞かれたらまず名前に出す一機と言えるかなと。
特にモニター的存在よりもドンシャリ的存在のが圧倒的に多い価格帯においては貴重な存在といえますし、最適解の一つかなと思います。
一方でズンズンくる低音域が好きな方、キンキンキラキラ高音域が好きな方にとっては若干退屈な音と評される可能性は高いです。
質の高い平坦な音なのでそこは好みの差が出てくるのかなとは思います。
あとはシングルDDで振動板の素材的なものからも金属楽器が多い曲では表現力にどうしても限界があるというのも付け加えておきます。
空間が広いだけにそこは残念ですが、そういった曲をもっときれいに聴くのであればシングルDDならもっと硬い素材であったりそもそもマルチドライバが基本的にオススメです。
オーケストラ等よりもサブスクで音楽をてきとーに聞き流したり、動画やラジオ、オーディオブックのようなもの向きと言えるでしょう。
セットアップ
DAP:FIIO M23(ゲインはHIGH、ボリュームはハイレゾ31,Amazonで42)
リケーブル:Yongse Venom(4.4mm)
イヤピ:SednaEarfit Crystal(ML、Mサイズ)
エージング:32時間
リケーブル線材は6N銀メッキOCC。
素直なイヤホンには素直なリケーブル製品。
さすがに付属ケーブルとの格の違いを感じます。
そのままイヤホンの良さだけを引き出してくれてる感じで非常に好感な組み合わせでした。
Studio Editionを選ぶ点で良い点と留意点
良い点
最高評価
- 価格帯最高クラスのモニター系イヤホン
ドンシャリ系が跋扈する価格帯において珍しいフラットなイヤホン。
モニター系と言うと厳密には違うがそういう傾向にあるというだけで貴重な存在。
全体的に音の質も高くて解像度なんかも非常に良い。
これが3000円台で買えると考えるとなかなかの破壊力。
近しい存在は浮かぶけど終売なので現在フラットな低価格イヤホンでオススメとなると筆頭の存在といっても過言じゃない。
高評価
- 見た目が良い
イヤホンは耳に装着するアクセサリーという持論があるので見た目も重視します。
最近はこの価格帯のイヤホンも見た目が上質なものが増えてきてますがこのStudio Editionも見た目良くかっこいい。
- イヤピが2種で実績のあるものが含まれている
KBEAR07は市販もされているイヤピで実績も人気も高い。
それが付属品にあるのは好感。
箱も豪華で安っぽさを感じないので贈り物にも良い。
留意点
- 付属ケーブルの耳掛け部分のワイヤーが扱いにくい
これはちょっと好き嫌いあるかなと思う。
個人的には好まない。
ノズルが短めなのでイヤピの位置を固定する上で耳の外側に引っ張られるような力でイヤホンの位置が安定しなくなり低音抜けの要因になる。
ワイヤーの固定能力もそれほど高くないので余計に難しい。
- メリハリのある音が好きな人向きではない
音質としてはあまり文句のないレベルだけどメリハリのある音が好きな人にはやや退屈さも感じられる。
どちらかというと楽しい音を求めるなら同じWan’er S.GシリーズであればClassicモデルをオススメする。
長時間のんびり音を楽しむ人向け。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は最低価格帯で手に入るフラットでモニター的なTANGZU Wan’er S.G Studio Editionをレビューしました。
パッケージ、付属品、見た目、音質に至るまで高水準で3000円ちょっとで買えるという全体的にレベルの高い製品でした。
Wan’er S.Gは見た目が何度も変わってきましたが、音がここまで変わったのは正直驚きでした。
現状はここまでまとまった感じのフラットな最低価格帯のイヤホンはあまり数も無いので貴重な存在かなと思います。
Studio Editionとは言いつつもスタジオというものに無縁ですが、音をあまり誇張なく聴きたい環境においては適しているという認識で良いと思います。
上でも触れましたが長時間使うような聴き流し的な用途にピッタリだと思います。
といったところで今回のレビューを〆させていただきます。
最後に今回のレビュー品のリンクです。
Amazon Linsoul-JP
Linsoul直営店
それでは次の記事でお会いしましょう(`・ω・´)ノシ