こんにちは!
今回もHiFiGoさんからTRN ST7の提供を受けましたので、レビューしていこうと思います!
TRN ST7といえば片側2DD+5BAという7ドライバ構成の格安イヤホンということで大きな話題となりました。
最近ではConchというこれまたコストという点で色々壊れている製品を出しており、あちこちで騒がれております。
個人的にはスターターキットとしてConch、マルチドライバの入門機としてこれを買ってもらいたいのかなという狙いを感じております。
ではこの格安マルチドライバイヤホンの実力はいか程か、早速見ていこうと思います。
↓今回のレビュー品です!
↑直営店リンク
↑クリックで直接製品ページに飛びます。
各メーカーさんの紹介
HiFiGoさん
今回もお世話になりましたオーディオ機器を幅広く扱うメーカーさんです。
特に中国系のクオリティの高いメーカーさんが取り扱われています。
日本には馴染みがないと感じる人がいるかもしれませんが、Amazonで見かけたことある人も多いかもしれません。
最初に貼ったレビュー品リンクでも分かるように、販売チャンネルが複数ありますし日本にもしっかりパイプがあるメーカーさんなので安心して利用できます。
Xアカウントでは日本語の投稿も多いので情報が手に入り易いのでフォローしましょう!
↑HiFiGoさん直営
↑HiFiGoさんのAmazonページ
https://ja.aliexpress.com/store/5562139
↑Aliexpressのショップ(PC用)
https://a.aliexpress.com/_oCtiqUg
↑Aliexpressのショップ(スマホ用)
TRNさん
2017年に設立されたオーディオメーカーです。
日本でもAmazonでの販路がありますが、量販店では見かけないので中古市場や海外ECサイトがAmazon以外では主な販路になると思います。
基本的には1万円以下のエントリー帯のイヤホンが主戦力ですが、BAX PROのように400ドルを超えるようなミドルハイクラスの製品や100ドル以上の製品もちらほら見かけます。
他にもリケーブル、TWS、BTレシーバ、イヤピ等の製品を幅広く展開しています。
ぶっちゃけ日本でのポタオデ民は大体知ってるメーカーさんですね。
時折プレゼントキャンペーンもやっているのでXのアカウントも忘れずにフォローしておきましょう。
TRN直営店:https://x.com/TRNOfficialTRN1
TRNオフィシャル:https://x.com/TrnAudio
TRN社のページ(海外サイトです)
https://trnhifi.aliexpress.com/store/5083233
↑Aliexpressのショップ(上記リンクからどうぞ)
スペック
ブランド:TRN
モデル名:ST7
ドライバ構成:2DD+5BA
コネクタ:2PIN(0.75mm)
インピーダンス:30Ω
感度:112dB/mW
周波数応答:20Hz-20kHz
発売日:2024年4月18日
価格:33.99ドル(約5330円)
外箱や同封物のチェック
外箱
箱はシンプルで小さいです。
中華系イヤホン、特にエントリーの格安価格帯においてはこのようなタイプの箱が多いです。
中身
外箱を開けると中はこんな感じ。
箱も最小クラスなのでいわゆるケースのようなものは入ってません。
メーカーによっては袋のケースを入れてる場合もあるのですが、本当に最小の内容物って感じです。
3.5mmのケーブル、TRN T-EAR TipsがMサイズ1ペアとSML各サイズ1ペアのイヤピ、マニュアルという内容物です。
イヤピ
カメラの補正か分からないのですけど、何故か付属のイヤピのサイズ感が同じように見えるように(汗
中身の項目の遠くからだとサイズ差が分かると思います。
T-EAR Tipsは汎用イヤピとしても人気が高いのでこれが1ペア入ってるのは嬉しいですね!
このT-EAR Tipsのサイズ感が合わない場合は違うイヤピへの交換を基本的にオススメします。
ケーブル
銀メッキケーブルは3.5mm仕様。
L字端子なのがポイント。
お世辞にもスペックが高いケーブルとは言えないので基本的にはリケーブル推奨。
リケーブルは0.75mmの2PINなんですけど、0.78mmの2PINも基本的に使えます。
0.75mmの選択肢が0.78mmほど多くないですし、例えば安価なものであれば気にせず使ってる方も多いです。
イヤホン本体について
FPは白でTRNのロゴが入ってます。
白だと写真の色味が色々と変わっちゃいますのでご了承ください。
見せる側の心配なので使う側には何も問題はないですが。
中身がはっきり見える透明のシェルです。
配線やドライバ等がはっきりと見えるのも良いですね♪
男の子ってこういうのが好きなんでしょ。(大好きです)
美しさという点は申し分ないですね!
TRNのロゴマークが日常使いで削れないかがやや心配ではありますが、消えたら手描きしちゃいましょう( ´∀`)b
ノズル部分はこんな感じです。
ちなみにこのノズルの直下にBAドライバが入ってるらしいので、扱いには気を付けましょう。
何度かイヤピの交換してますが、基本的に堅牢なので心配は無いと思いますが…
ST7の音質について
音の特徴等について
音の傾向としては中音域に重きを置いたフラットな音質。
周波数特性ほど中音域が凹んでいるようには聴こえないです。
音場については上下左右、奥行もそれなりに広いといった印象。
この価格帯で考えればよく調整されているなと感じました。
解像度もこの価格を考えれば良いとは思いますが、さすがに1万円を超えるようなイヤホンと比べると価格差を感じさせられます。
音質については中音域から高音域にかけてはTRNらしい寒色寄りな音なのですが、低音域は暖色とまではいきませんが少々柔らかい印象があります。
雨が降るまではいかないけど湿度を帯びた低音域と良い天気でカラッとした中音域から上って感じでしょうか。
リケーブルについては変化量はそれなりに多くて、ケーブルによっては刺さりが強くなったり弱ドンシャリ傾向に変化したりします。
割と好みを調整できる機種だと思うのですけど、反面リケーブルを複数所有してない方はストライクゾーンが狭まるという懸念はあります。
比較的上級者向けなイヤホンだなって印象があります。
ちなみにエージングはした方が良いと強く感じました。
箱出し、付属ケーブルで聴いた瞬間に首を傾げましたが少なくとも50時間も経てばその首を傾げた要因が大きく解消しました。
最初は全然DDが鳴ってなかったんですね、高域ばかりしんどい印象でした。
低音域
基本的には低音域はそれほど強くはないです。
やや湿り気のある柔らかい音になってます。
中低音まではこの傾向にあるので、男性ボーカルと女性ボーカルとで声のツヤ感が違うのも特徴かなと思います。
男性のボーカルは少しツヤのある感じになり、女性は煌びやかに伸びる感じです。
キレや深みはそれほどでもないので基本的に低音域強いのが好きな人にとっては少々物足りなく感じるでしょう。
6Nくらいの銅系統のリケーブルを使うとこの低音域がやや強くなるので、どうしても低音域を少し上げてよりフラットにしたい場合の選択肢になるかなと思います。
またエージングをそれなりにすることで低音域が僅かに出てくれますので、改善の一歩になるのではないかと思います。
ちなみにどうしてもボーカル無しや主旋律が明確ではない楽器が多い系の楽曲では迫力が欠けてしまいますね。
中音域
最近のイヤホンに割と多い、ボーカルが前に出ている系のイヤホンです。
周波数特性だともうちょっと引っ込むかなと思ったのですけど、そんなことなく歌が明瞭に聴こえます。
引っ込みやすいボーカルの歌も割と聴きやすく感じます。
とにかくこの部分に全力出してるなってのが分かるくらい中音域の調整が凄いです。
ドンシャリで分かりやすく迫力で売るイヤホンと違って歌を聴かせるという明確な目的を感じます。
中高域からは寒色系の音になっております。
やや主張が強いのもあって、曲によっては中高域より上がシャリシャリな音になってしまうものもあります。
特に声が高いクリアな女性のボーカルがシャリつくように聴こえますのでここをどう抑えるかがこのイヤホンを使いこなすキーポイントかなって思います。
高音域
高音域はケーブルによっては刺さりが強くなる傾向があるので、刺さりに弱い人は注意してください。
中高域に引き続いて、シンバル等金属系の響きもややシャリっとした音になる傾向があります。
それでも何度も値段という単語を使うのは申し訳ないけど、この価格としては本当に頑張って音を出してるなってのが正直な感想。
やはり単体BAじゃ出せない音の複雑さや厚みをこの価格で体感できるのは大きいです。
同じハイブリットでもやはり1BAや2BAでは感じられない立体感はさすが5BAだなって感じます。
低音域と音の感覚が違うのも上手に利用しているのかもしれません。
エージングして低音域を目覚めさせてあげると箱出しではやや刺激がきついと感じるこの高音域がまろやかに感じるのでこの高音域をきれいに聴く為にもエージングがオススメです。
総評
明確なボーカルリスニング向けなイヤホンと言えるかと。
中音域に全力なイメージです。
このタイプのイヤホンはボーカル向けには良いですが、オーケストラやサントラとかオフボーカルな楽器の音が多いものに関しては合わない曲も出てきます。
このイヤホンで言えば低音域がやや弱い、中高域より上がシャリつきやすいという点で迫力や没入感が弱くなるという面があります。
エージングで多少は改善されるものの、基本路線は大きく変わりません。
ちなみにマニュアルにある100時間~500時間というエージング推奨時間があるのですが、多分そこまでしなくても…少なくとも50時間程で良い感じに変わったなと感じます。
ストライクゾーンにはまった時はこの値段からは考えられないような音を奏でてくれます。
値段というと、各メーカー例えば1DD+1BAや1DD+2BAというエントリーを数多く出していますが、このイヤホンは2DD+5BAという明らかに異質な構成。
その各社のハイブリット構成のエントリーよりちょっと高いだけで倍以上のドライブを積んだこの音を体感できるのは凄い事だなと思います。
多ドラハイブリットの世界の体験版と考えればしっかりとしたものを提供しているとは感じます。
とはいえ、体験版と言ってもイヤホンそのものの扱いはやや上級者向けにも感じます。
基本セットがConchのようにそれ買えば完結するようなセットアップではないので、リケーブルの数が少ない、イヤピの種類が少ない等あると活かしきれない部分はあるかなと思います。
推奨点としてエージング、リケーブル、イヤピ交換とするとやはり初心者向けではないなという結論にはなりました。
セットアップ
①FIIO R7
今回の試聴環境です。(エージング:55時間)
DAP:FIIO R7(ゲインはHIGH、ボリュームはハイレゾ44,Amazonで55)
リケーブル:NICEHCK 福袋ケーブル2024年版(4.4mm)
イヤピ:KBear-07(左M+サイズ、右Mサイズ)
②FIIO M23
DAP:FIIO M23(ゲインはHIGH、ボリュームはハイレゾ39,Amazonで48)
リケーブル:NICEHCK StarDream(4.4mm)
イヤピ:KBear-07(左M+サイズ、右Mサイズ)
ST-7を選ぶ上で良い点と留意すべき点
良い点
◎最高評価
- ボーカルを楽しめるボーカルリスニング向けなチューニング
とにかく歌をはっきりと聴きたいなってイヤホンにおいてこの価格帯の第一選択になり得る実力がある。
基本的にドンシャリやモニター向けと称した面白くないイヤホンが多い価格帯だけど、これははっきりボーカルを聴かせたい意図を感じる。
○高評価
- 価格の安さ
結局ドライブ数積んでも音が悪ければ意味がないんですけど、この価格でこの音ならば基本的に文句はなし。
ただ、最初につかむ1本目のイヤホンとしては少々難易度が高いので、同社のConchをまずは最初に手にしてみよう。
- 潜在能力の高さ
総評にもある通り、推奨点としてエージング、リケーブル、イヤピ交換を経てようやく実力を発揮してくれるので潜在能力は高いと思う。
装備を整えてしっかり育てたこのイヤホンは普段使いのボーカルメインのイヤホンとして良いものだと思う。
留意すべき点
- 特殊な形状は合わない人も出てくる
この突起は合わない人にはとことん合わないと思う。
実際、フィット感が良いと感じても長時間装着しているとケーブルに引っ張られる影響か痛くなくても違和感を感じることも。
- ベタベタしているという報告あり
本体がベタベタしているという報告が見受けられました。
自分のはそこまで酷くはなかったのですが、少しベタ付き感はありました。
拭けばとりあえずは落ちてくれますが、やや気になる点でした。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
TRNの低コストなハイブリット多ドライヤホンですが、個人的には扱いがなかなか難しいなとは感じつつ、ちゃんとその実力を発揮してあげればボーカルをしっかり聴かせてくれるイヤホンに育つなと思いました。
低価格路線のイヤホンも多数所有してますので、今後はレビューを増やしていこうと思います。
↓最後に今回のレビュー品のリンクです!
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