こんにちは!😊
今回はAFULさんのフラッグシップでハイエンドモデルのCANTORをレビューツアーでレンタルさせていただきましたのでレビューをしていきます。
メーカーさん主導の企画で、1週間程度使用してそれぞれがレビューしてバトンタッチするというもので、以前もそういった企画に参加したことがあります。
本当に貴重な機会を賜りありがとうございます。m(_ _)m
799ドルです、正直緊張ですよ…
10万円超えのイヤホンを知らないわけじゃないです。
それでもハイエンドなイヤホンを試聴できる機会って専門店でも行かないとなかなか難しいですからね。
先頭のゆに茶さんが既に100時間以上エージングしているということで、育った状況でのレビューが出来るという点では楽させてもらってるのでじっくり聴き込んでレビューしていきます。
それでは今回のレビュー品のリンクです。
メーカーさんの紹介
AFULさん
既に数々の評価の高い製品を世に出してる新興メーカーさんです。
At Fullの略で英語的には満月とか絶頂とかなので、いわゆる完全にとか頂点を極めるとかそういう類の意味になります。
製品としてはエントリーからミドルがメインでしたが、今回初のハイエンド帯の発売となりました。
見た目も美しいイヤホンが多く、音に加えて所有欲を掻き立てる製品が多いですね!
とてもファンが多い印象があります。
他にもドングルDACを作っています。
日本においても代理店が存在してますので、AFUL製品はイヤホン専門店や大手家電量販店で販売されています。
また、中国のセラーもAmazon等で販売してるので手に入る環境はしっかり整っています。
SNSの運用もしており、情報は活発に公開されています。
✨X公式
✨Aliexpress公式ショップ
✨公式ページ
スペック
概要
ブランド:AFUL
モデル名:CANTOR
ドライバ構成:14BA
コネクタ:2PIN(0.78mm)
インピーダンス:22Ω±10%
感度:106dB@1kHz
周波数応答:5Hz-35kHz
発売日:2024年8月19日
価格:799ドル(約11.4万円)
カラーは今回レンタルされたMarineEchoの他に
ゴッホの絵を参考にしたというStarryNightというカラーの2種展開。
こちらもかなり美しいですね!
CANTORの意味
という感じらしいです。
保育園がキリスト系でしたけど、洗礼されたわけではないですし正直この儀式的意味はあんまりよく分からないです💦
なので最後のラテン語で歌い手って意味で捉えてます。
その名前の通り素晴らしい歌い手と感じてます。
外箱や同封物のチェック
外箱
外箱のカバー部分は製品写真と技術省快適な感じ。
4.4mmのシールがほんのり格好悪い…
裏面はスペック情報とか。
Made in Chinaの横辺りにさっきの4.4mmシールを貼っておいて欲しかったかな💦
配送の際なんかに間違えないようにっていう配慮なのは分かってはいるのですけどね。
カバーを外すと日本の卒業式で卒業証書入れる筒みたいな感じの素材な箱になってます。
人によってはゴールしてしまうレベルのイヤホンなのである意味卒業証書かもしれません。
中身
箱を開けると傷防止の為?の薄い紙があり、その下にケースとイヤホンがあります。
基本的に黒系な感じの中にはっきりと見える宝石のような輝き。
まるで真っ暗な宇宙空間に浮かぶ地球の如き美しさですね✨✨✨
ケースの更に下にはマニュアルが入ってました。
ケースの中はこんな感じ。
イヤピ3種類、ケーブル、メンテナンス用ブラシ。
それでは中身の詳細を見ていきましょう。
イヤピ
付属の3種類のイヤピの傘の高さはほぼ同じ。
全て弾丸形状です。
左はバランスタイプ。
低音域が僅かに弱くなるので全体的なバランスが整います。
真ん中は低音域と中音域強化。
元々高音域は強いので低音域と中音域を強化することでよりリスニング向けになります。
少し中高音の刺激が強まります。
右はボーカル向け。
中音域がほんの少し強化されてボーカルが浮かび上がります。
イヤピによる傾向差は自分の主観部分なので人によって変わる可能性はあります。
先に触れてしまうと、ノズルが長いので傘が低い系のイヤピだと金属ステムの先端が突き出てしまうので危ないです。
必ず先端が露出しないような高さのイヤピを装着しましょう。
↑のようにギリギリこういう感じも何かの拍子で外耳道を傷つける可能性がありますので必ず余裕を持たせましょう。
またイヤピはノズルの最奥まで突っ込むことが推奨されてますが、ほんの少しだけ手前側にすることで高音域の刺激を僅かですが和らげることができます。(あまり手前過ぎても音が変わってしまいます
案外左側のように最奥手前でセットできます。
というのも最奥まで挿入するには割と力が必要だからです。
ケーブル
5NのLC-OFC。
LC-OFCはLinear Crystal Oxygen Free Copperの略で線形結晶無酸素銅という線材になります。
あまり聞かない線材だったので色々調べていると割と歴史のある線材ですがマイナーって感じがしました。
スペックを見る限りはノーマルOFCよりも滑らかな方向なのかなと思いますが、銀系含んでいないので基本的にはやはり低音域強化系ケーブルという位置づけです。
BA14基もあれば線材で高音域伸ばさなくても十分ですからね。
なのでこの線材ということなのでしょうけど、あえての理由までは分かりません。
ここまで繊細なバランスだと音が変わり易いのであえてこのまま楽しむのが基本路線なのかなとは思います。
音の質感が絶妙過ぎて寒色寄りにするとやや聴き疲れる音に、暖色寄りにすると聴き心地は良いけどCantorとしての良さがちょっと薄まるかなって感じがするので個人的にはそのままのバランスがオススメです。
ケース
ケースは合成皮革で上質な造りです。
写真からは分かりにくいですが、上蓋側に綿が入ってるのか少しふわっとしてます。
なので上からの対ショック性能は高そうです。
ファスナーの咬み合わせもスムーズです。
内部は起毛しててほんのりふわっと。
厚みがあるので…
内容量は多め。
イヤホンを入れても中身は随分と余裕があるのでもう1本イヤホン入れたり、もしくはドングルDACを入れる事もできます。
上蓋側にはネットがあるのでイヤピとか乾燥剤類のアクセサリーも入れられます。
その他
お掃除用メンテナンスブラシも1本同封。
フィルタがないタイプのイヤホンなのでこういったアクセサリーは重宝します。
ちなみにイヤホンを集めてるとこういうアクセサリー類がどんどん増えていきます💦
イヤホン本体について
イヤホン本体についてはかなり美麗なFP。
手作業で貼り付けているらしいですよ、このキラキラ✨
海の浅瀬、ちょっと深い所みたいな立体的な感じになっていてとても美しいですよね!
暗くしても見た目は抜群!
ゴッホの絵を参考にしたというStarryNightも美しいんですけど、こちらはこちらで美しいので買うとなると究極に悩むと思います。
明暗でそれぞれをアップしてみました。
息を吞む美しさが少しでも伝われば…!
今回は写真多めですみません、レンタルなので返却したら最後ですからちょっと多めに掲載。
シェルは青の透明。
中がしっかり見えて、BAがぎっちぎちに入ってるのが分かると思います。
ベント孔は割と大き目で目立ちますが、あえてここにLR表記することで他の部分の格好良さを損なわないする配慮なのかなと個人的には感じました。
イヤホンの成形としては凹凸が少なくなだらかで装着感は良いです。
このBAの数なんでシェル自体はかなり大きいんですけどね。
AFUL EXPLORERと比べるといかに大きいか分かるかと。
EXPLORERは1DD+2BAの3ドライバー構成。
基本的にBAより大きいDDを加味しても11ドライバーも差があればこれだけ大きくもなります。
PIN部分はシェルに接続部分だけ出ている感じ。
中華2PIN、CIEM2PINが使用可能。
このイヤホンの特徴的な低音域をカバーしているという部分。
しっかりと透けて見えてます。
製品ページのこの部分に該当します。
この仕組みのおかげでフルBAながらも量感たっぷりな低音域が楽しめます。
とても長いノズル。
イヤピの項目でも解説済ですが、傘が低いタイプのイヤピは先端の金属ステムが露出して外耳道を傷つける可能性があるので付属のイヤピより低いものは使用しないでください。
太さ的には大体のイヤピは装着可能ですが、前述の影響で適応外のイヤピも多くあります。
あとAFUL製品だと基本そうなのかもしれませんが、フィルタはありませんのでメンテナンスは気を付けるようにしましょう。
長いのでそれだけ汚れが侵入しやすくなります。
CANTORの音質について
音の特徴について
まずはお断りとして高級機を知らないわけではないですが手持ちも少なく、試聴のみってことが多いので高級機使いの目線ではないということを念頭に置いていただけると助かります。
主戦場が基本的にエントリー~ミドルクラスですので💦
音の傾向としてはニュートラルよりかは暖色寄りの弱ドンシャリ。
中音域の中高音から上、高音域にかけてはBAらしいソリッド感ある硬めな音。
にょろにょろ音導管で低音域がフルBA機としてはかなり量感あって、まるでDDがいるかのような感覚がありフルBAの弱点は改善しているようには感じられます。
ただ、やや重低音側にフォーカスされた低音域は好みに差が出るかもしれません。(重厚な重低音に対してあっさりな低音
音場は左右に広く上下もそれなりに広い万能的な音場で、奥行もあってとても立体的。
音のシャワーを浴びている感覚というか。
分離感も良く、ハーモニーに雑味が感じにくくが美しく聴けますね。
解像度は高級機の経験が少ないですが、個人的の所持機器を考えれば十分過ぎる程ですし手持ちの高級機とあまり変わりません。
刺激に関しては幾つか可能性を書いていきます。
まずは身体的構造差。
これだけノズルが長いと人によって音の差が大きいのかなと感じます。
次にイヤピをノズルに対してどれだけ奥に挿しているか。
ノズルの奥の奥まで入れ込むと高音域の刺激が強くなる傾向です。
一番奥まで入れるのをほんの少し手前にするだけでも刺激感が変わってきます。
鋭い高音域が好きな人はしっかり挿し込んで、そうじゃない人はほんの気持ち手前で止めるという運用もいけると思います。
低音域
低音域はあのにょろにょろ技術によって暖かみがあって厚みを感じる沈み込むような深い重低音が楽しめます。
厳密に言えばDDの鳴り方とは違いを感じますが、DDがあるのか!?と錯覚を起こしそうです。
フルBAとしてはしっかり量感はあるのですが、一方でDDらしい重低音よりも高い低音部分もキレッキレに鳴らす方面が好きな人と好みは違うのかなとは思います。
あくまでフルBA機として見た際、強めの中音域と高音域と比べてどうしても弱めのバランスになりがちだった低音域が思ったよりもバランス良く鳴らせているという俯瞰的評価は忘れてはいけないかなとは思います。
重厚な重低音に対してあっさりめになる低音とのコントラストも面白いのですけど、重低音が多く鳴り響く楽曲だと少し圧が強いかなと思うことがあります。
十分な解像度、正確な定位感があるのである程度この部分の音数が多くても音が濁ったりはしませんが、ボーカルにかかることもあり気になる部分でもあります。
中音域
基本的に中音域はとても明るくてクリアーな音になってます。
BAの特性か高音域に近づくに連れてやや硬質に感じ、ニュートラルな傾向になります。
ボーカルの位置は自然で音も広く、コンサートホールで聴いているような臨場感が得られます。
中高音は美しく、この中音域で一番好感が持てる部分ですね。
女性ボーカルも帯域の楽器も明瞭に聴けます。
個人的には付属品セットであまり刺激感なく聴けてます。
男性ボーカルもきれいに聴けますが基本的には女性ボーカル向けかなとは個人的に感じています。(男性もキーが高いほどに良くなっていきます。
ボーカルやギター等の主旋律は明瞭に聴こえ、押しが強い重低音にも負けない感じにはなってますが、重低音の量感や音数が多い楽曲はボーカルや主旋律にも少し影響が出ますし曲そのものがやかましくなる傾向です。
得意不得意を楽曲によって感じはしますね。
ちなみにCANTORは歌い手という意味からしてもオフボーカルの重低音が多いオーケストラ系楽曲よりもボーカル系の方が得意なのかなという感覚です。
オフボーカルの場合はピアノのみの楽曲とか、あまり重低音をかき鳴らさないヒーリング系、チル系な曲をオススメします。
主旋律が明瞭ではっきりする点でレトロゲームはむしろ好相性です。
高音域
明るくて天井の高さと立体感をしっかり感じる高音域はさすがフルBAというべきか、量感があるのであまり不満は感じません。
ただ、人によっての刺激感が大きく変わるようなので個人的には試聴できればしてみて刺さりのような刺激がどの程度出るのかとか感じた方が良いかなとは思います。
ジャンジャンこの帯域を鳴らす系の楽曲はしんどみがあるかもですね。
そこは安い買い物ではないので妥協せずですね。
個人的には言われてるほどの刺激感を感じずキレイに伸び上がる高音域を楽しめています。
シャリ感のような音は感じず、透き通った音と重なってもそれぞれの金属感が分かる分離感も素晴らしいです。
また普段は小さくて聴こえにくい添え物のようなシンバル音のようなものも聴き取れます。
重厚な重低音に負けない芯のある高音域だと感じました。
人によって感じる傾向が一番変わる部分かなって思います。
総評
高音域に関しては人によっての差がありそうだなってのがポイント。
普段は刺激刺激うるさい自分がむしろあまり感じてない方と考えると身体的な部分もあるのかなぁと思いつつ。
とりあえず試聴してくださいって1本ですね。
個人的には重低音の鳴りが多少気になるものの、全体的にはドンシャリバランスで好みの音になってました。
万能型よりも合う曲とそうじゃない曲との差がありますが、基本スペックの高い音は合う曲との相性はとにかく抜群なので専用のセトリを作っても良いかなって感じです。
個人的なオススメは美声系の女性ボーカルであるZARDですね。
坂井泉水さんのクリアーなボイスが際立ちます。
男性なら徳永英明の名曲カバーシリーズかな!
キー的に最も艶があってセクシーな感じですね😊
DDとかEST積めば良いじゃん、というよりもBAだけでどこまで音を表現できるのか限界を求めていこうという点ではむしろこっちのが名前的にはEXPLORERなイヤホンな気がしますね😊
セットアップ
DAP:FIIO M23(ゲインはHIGH、ボリュームは44,Amazonで55~57)
ケーブル:付属ケーブル(2PIN 4.4mm)
イヤピ:付属イヤピ
エージング:100時間以上
フルBAなのでやや音量は高めにしてます。
低音量よりも気持ち高い方が全体的な鳴りが良いんですよね。
空間表現が立体的で良いので楽器それぞれの特色を感じたい場合にこんな感じにしてます。
それと出力が高い上流の方がサウンドステージの魅力は高いと感じます。
一方で重低音の主張が強い場合は1割くらい下げています。
基本的には付属品セットで楽しんでました。
リケーブルするにも多分この子に合わせるような実力ある銅系統ケーブルが手元に無いだろうなって判断です。
イヤピは幾つか候補はありましたが、このままで十分でした。
下手にバランスをいじるよりも無いなら無いでそのままのバランスで十分過ぎるなぁとミドル機使いの感想でした。
CANTOR選ぶ上での良い点と留意点
良い点
◎最高評価
- 抜群の見た目
息を呑む美しさ。
さすがは高級機と言う貫禄。
見た目という点では一切の妥協を感じさせず、所有欲を満たしてくれる。
イヤホンは一つのファッションアイテム、しかしこれは宝石。
- 一つの完成形
得意、不得意の曲はあるもののこれはもう完成された音。
特に相性抜群な曲はとても気持ちが良い。
リケーブルせずともそのまま味わっても十分。
立体的で素晴らしいサウンドステージからシャワーのように浴びせられる音の情報量はなかなかエントリーとかミドルでは味わえない醍醐味。
この音を気に入れば十分購入動機にはなる。
○高評価
- 大きいが装着感は良い
イヤホン本体は大きいが、装着感は悪くない。
EXPLORERもそうだがAFUL製品は基本的に装着感が良い。
イヤピも本イヤホンの使用可能範囲の製品であれば装着感に難は無い。
留意点
- 個人差がありそうな高音域
高音域における刺激感が人によって感想が大きく違う。
その点で合う合わないの差が大きそうなので高級機に分類される本機は試聴機会があればしておくべき。
- イヤピの使用可能範囲には気を付ける
外耳道を傷つける可能性があるので、金属ステムが露出してしまうような傘の低いイヤピの使用は危険。
注意事項をよく確認しよう。
まとめ
いかがでしたでしょうか、今回はAFULさんのフラッグシップでハイエンドなCANTORをレビューしていきました。
総括部分にもあるように、得意不得意はあるもののドンピシャにハマる楽曲はこの上なく美しく聴けるタイプのイヤホンです。
とはいえ、高音域の聴こえ方がけっこう差がありそうだなってのが留意点でもあるので試聴は強くオススメします。
大手イヤホン専門店では試聴機も入ってるとは思いますので。
11万円以上ということで自分のリファレンスのDAPであるFIIO M23とほぼ同等な値段のイヤホンということで大抵の方にとって安い買い物ではないと思いますからね。
広めな音場で解像度の高い音をシャワーのように浴びたい時に良いかなって思います。
基本的に音量は高めでより臨場感マシマシにした方が気持ち良いと感じるイヤホンでした!
最後に今回のレビュー品のリンクです。
それでは次の記事でお会いしましょう!(`・ω・´)ノシ